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サル痘

サル痘とは?

サル痘はオルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによる感染症で、1970年にヒトでの感染が発見されて以来、中央アフリカから西アフリカにかけて流行しています。日本では感染症法上の4類感染症に指定されています。

2003年に輸入した動物から持ち込まれたと思われる集団発生事例がアメリカから報告されています。

2022年5月19日現在、同月英国でナイジェリアから帰国後の患者がサル痘と診断されたのを発端に、計9例の患者が報告されています。その多くは発端の患者と接点がなく流行地への渡航歴のない、男性同士で性交渉をされる方でした。

2022年5月19日現在、スペインやポルトガル、カナダにおいても男性同士で性交渉を行う人の間で、確定患者または疑い例の集団発生(各20例前後)が報告されています。さらにアメリカ、スウェーデン、イタリア等でも確定患者が報告されています。

サル痘の症状は?

ウイルスに曝露してから通常6-13日(最大5-21日)の潜伏期間の後に発症します。

発熱、頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0-5日程度持続し、発熱1-3日後に発疹が出現します。

皮疹は顔面や四肢に多く出現し、徐々に隆起して水疱、膿疱、かさぶたとなります。

多くの場合2-4週間持続し自然軽快するものの、小児例や、あるいは曝露の程度、患者の健康状態、合併症などにより重症化することがあります。

皮膚の二次感染、気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を起こすことがあります。

致命率は1-11%程度とされています。

サル痘の感染経路は?

主にアフリカに生息するリスなどのげっ歯類をはじめ、サル、ウサギなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染します。

サル痘はヒトからヒトに感染することがあり、主に接触感染、飛沫感染をするとされている。なお、理論的には空気感染も起こす可能性が指摘されていますが実際に空気感染を起こした事例は確認されていません。

発症後からすべての皮疹が消失し新しい正常な皮膚に覆われるまで感染予防策をとることが推奨されています。

サル痘の鑑別診断は?

同じく発疹を症状とする疾患が鑑別となり、水痘、麻疹、細菌感染、感染、梅毒、薬物アレルギーなどが代表的です。既に根絶されている天然痘とは症状での区別は困難とされています。

サル痘の診断は?

主に水疱や膿疱の内容液や蓋、あるいは組織を用いてPCR検査で遺伝子を検出することが有用です。

その他、ウイルス分離・同定や、ウイルス粒子の証明、蛍光抗体法などの方法が知られています。

抗原検査や抗体検査は交差反応が多く、サル痘の特異的な診断には至りません。

サル痘の治療と予防は?

特異的な治療薬はありません。実験室レベルではシドフォビルなどの薬剤が有効な可能性がありますが、国内で承認されているものはありません。

天然痘ワクチンによって約85%発症予防効果があるとされています。しかし日本国内では1976年以降天然痘のワクチン接種は行われていません。

流行地では感受性のある動物や感染患者との接触を避けることが大切です。

問い合わせ先・相談先

渡航歴がある患者さん、もしくは渡航予定の方で、ご相談・ご紹介があれば下記にご連絡ください。

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院

国際感染症センター(DCC)

〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1

TEL:03-3202-7181(代)

Email: idsupport@hosp.ncgm.go.jp

参考文献

サル痘
図.サル痘による皮膚病変 Mandell et al. Principles and practice of Infectious Diseases, 9th Edition. Elsevier

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重要なお知らせ

医療機関及び行政機関を対象にしたサル痘の啓発資料を感染症コミュニケーション円卓会議で制作しました。

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これまでの実績

2018年2月
タイ帰国後の重症肺炎、マラリア、メリオイドーシス疑い
2018年2月
PPE着脱の指導
2018年2月
コンゴ民帰国後の発熱、マラリア検査希望
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